***李亀烈(著)・南永昌(訳)『失われた朝鮮文化――日本侵略下の韓国文化財秘話』(新泉社、1993年12月25日) [#n9b1189e]
RIGHT:平成17年6月29日掲載

~(口絵写真 日本の美術館のなかの韓国文化財 キャプション) 
 東京・靖国神社の鳩舎脇に目立たぬように置かれている「北関大捷碑」。壬辰倭乱の際に義兵軍が豊臣軍を打ち破ったことを記念したこの碑は、日清(ママ)戦争のときに日本へ略奪された。 
>&size(9){※同書本文に、北関大捷碑に関する記述は無い。従って、上記キャプションは訳者の手になるものとみなすべきであろう。同書巻末訳者解説によれば、「訳者は日文への翻訳において、原書の一部の章を削り、日本読者の弁の為に若干の解説をおぎない、かつ、全ての引用文は(一部の入手できなかったものを除き)、訳者が原典にあたり、正確を期した。」とある。};
&size(9){ ただし本書において訳者は、定言的三段論法を安易に「臨場感にあふれる叙述」と評するなど、学究的な点から見れば、問題は多い。また、原書は1973年出版にもかからわず、p.189に「「小倉コレクション」は、1981年7月に、そのすべてが東京国立博物館に「寄贈」されてしまった。」、p.197に「1986年2月に出版した『朝鮮古代遺跡の遍歴』という回顧談のなかで」などと、いずれも注釈を付さずに訳出するなど、「訳者解説」部分以外にも、単なる翻訳者に止まらぬ作業を行っているようである。};


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