機密第五十一号

 廿九年一月四日接受

機密第五十一号

御参考ノ為メ別紙景福宮即チ現王居ノ見
取図一葉及進達候間御査収相成度在
ハ或ル本邦人ノ作リタル見取図ニ基キ尚小官
カ実地ノ見聞ニヨリ修正ヲ加ヘ調製シタルモ
ノニシテ固ヨリ精確ヲ保シ難ク候得共概
略ニ於テハ格別ノ誤謬無キモノト相信候図
中ニ示セル乾清宮ハ十月八日前後ニ於ケル國
王陛下初メ王族方ノ御居殿ニシテ長安堂
ハ國王陛下坤寧閣ハ王妃陛下ノ御居間ナ
リ又坤寧閣ノ裏手ニ当リ東西ニ横ハレル
一棟ハ王太子及王太子妃ノ御居間ナリ而シテ
該事変ノ時王后陛下ハ図中ニ示セル(1)ノ
所ヨリ(2)ノ所ニ引出サレ此処ニテ殺害ニ遭
ハレタル後屍骸ハ一旦(3)ノ室ニ持込ミ其後
夾門ヨリ持出シ(4)点ニ於テ焼棄テラレタ
ル由ニテ十一月二十二日小官ガ王城ニ入リタルトキ燃
残リタル薪類尚(4)点ニ散在シ其傍ラニハ
何物ヲカ埋メタル如キ形跡歴然タルヲ認メ候
在及具報候敬具

明治廿八年十二月二十一日

在京城 一等領事内田定槌

外務次官原敬殿


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