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**danshiari/科学の子 番外編 -etos, patos, logos- [#n92eb6bf]
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みなさん、今日はちょっと休憩です。&br;
今までとは、少し違う内容なので、参考として、覚えておいてください。&br;
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人が話をするとき、そこには3つの要素があります。&br;
一つめは、話し手。&br;
二つめは、聞き手。&br;
三つめは、言葉。&br;
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人が、だれかを説得しようとする場合、この三つの要素に合わせて、三つの種類に分けられます。&br;
これは、アリストテレスが分類したもので、以下の様になります。&br;
 1.話し手のエトス (etos)&br;
 2.聞き手のパトス (patos)&br;
 3.言葉のロゴス (logos)&br;
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「エトス」とは、簡単にいうと、信頼性や権威のことです。&br;
「この人の言うことだから信用しよう」「あいつの言うことは信頼できない」というのは、話し手のエトスによって、聞き手が判断をしているわけです。&br;
また、「偉い先生が言っていた」というのも、エトスによる説得と言えるでしょう。&br;
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「パトス」とは、簡単にいうと、感情、つまり“気持ち”のことです。&br;
「あなたが怒る気持ちは良くわかります」「私を気の毒とは思いませんか」というのは、聞き手のパトスに、話し手が訴えているのですね。&br;
もう少し細かく言うと、喜怒哀楽などの感情だけでなく、相手の心理的な欲求に応えることも、パトスによる説得に含まれるでしょう。&br;
「あなたが立派な人物であることは、よく知っています」という言葉は、相手の“自尊”の欲求に訴えているのです。「私は敵ではありません」というのは“安全”の欲求ですね。&br;
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「ロゴス」とは、ロジック (logic)、つまり論理のことです。&br;
私が、今まで「科学の子」で述べてきたようなことですね。&br;
(「科学の子」は、もう少し続ける予定です。もちろん“論理”にかかわる話です。)&br;
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エトス、パトス、ロゴスの三つは、実際のコミュニケーションでは、明確に区分けできず、渾然一体となっています。&br;
例えば、「生物学的に見ても、人類学的に見ても、我々は優れている」という言葉は、“生物学”“人類学”という言葉のエトス、「我々は優れている」という聞き手の“自尊の欲求”=パトス、それぞれを含んでいます。&br;
この言葉を、大学の教授が言ったとして、「なぜならば・・・」と続けたとします。すると、“大学の教授”というエトスがさらに加わり、後に続く言葉はロゴスなのでしょう。&br;
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そして、これらが渾然一体となっているからこそ、他人を説得することは、難しいのです。&br;
いくつか、説得がうまくいかない場合を、例示してみましょう。&br;
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A「1+1=2であることは、数学的に証明された事実だ」&br;
B「私は、その証明は知らないが、あなたの言うことは信頼できません」&br;
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A「彼らは、わたしに、こんなひどいことをしたのです」&br;
B「あなたのいう“ひどいこと”は、法律で認められています」&br;
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A「・・・以上によって、私の主張は正しいと考えます」&br;
B「あなたの事は尊敬しているが、あなたの主張は、私を悲しい気分にさせるので、認めたくありません」&br;
&br;
それぞれ、何が問題だったのか、考えてみてください。&br;
同様に、自分が誰かを説得しようとしてうまくいかなかった時も、エトス、パトス、ロゴスの何が問題だったのかを、考えてみると良いでしょう。&br;

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