進展しない討論 −誤解の根は、翻訳の不備だけではない−
以下は、カルチャー掲示板のあるスレッドにおいて交わされた、討論の要約です。
きわめて些細なことに気付かなかったために、意思の疎通が行えなかった、実例です。
興味深いポイントがいくつかあるので、詳しく見てみましょう。
【全体の流れ】
- 日本人数名が、話している。
- 韓国人A氏が、参加。主に日本人B氏と話す。
- 決着がつかないまま、会話はいったん終了する。
- 数時間後、私 danshiari が、A氏に対して、私の主張を述べる。
- 数時間後、A氏が、私に対して主張を述べる。
- さらに数時間後、私が、A氏に対して、主張を述べる。
- 上記の途中で、A氏、および日本人数名が参加する。そのまま、会話状態になる。
- A氏、用事が有るために、会話から抜ける。その際、A氏の質問に対する回答を、私に要求する。
- A氏の質問に対し、私が回答する。
- 数時間後、A氏は、私の回答を、自分の質問に対する答えではないと判断し、その旨を述べる
- 数十分後、私はA氏の記述を見る。A氏の希望に沿うよう回答し、さらに私の主張を述べる。
- 後日、A氏は、私が追加した回答を見るが、納得はしない。
1.日本人の会話
日本人B氏の発言から抜粋(以下、会話は全て同様)
- こっちは便宜的な定義を要求しているだけなのに、あちらさんは凄く難しいことを要求されたように思ってる。(10/17 23:59)
- (韓国側は)単純に言ってしまえば、結論先行思考ということなのでしょう。
- 韓国の偉い学者やTVが言っていて、自分自身もそう思うから(省略)その根拠は問題ではない(10/18 00:08)
- 韓国側は)同胞から知識人と見なされていたり、あるいは自身で知識人と思い込んでいる人は、史料よりも学説をよく議論の具にしますよね。(10/18 00:32)
- 韓国人が「実証的な検証」を拒絶するのは、(省略)彼らの事実認定方法に馴染まないという理由が強いようですね。(10/18 00:39)
- 某氏や某氏なぞは、「歴史学者でない以上は仕方がない」「日本側はマニアック」と言っていました
- 根拠を突き詰めるような議論の仕方は、かの国では馴染まないのでしょう(10/18 00:44)
- (韓国側は)知識がどうとか、論理がどうとか言うのではなく、駄目なものは駄目、正しいものは正しいという「白黒論理」ですから。(10/18 00:55)
◎ポイント0(大前提)
・日本人は、韓国人の、討論における“方法論”について批判していた。 つまり「韓国人は、実証的検証を行っていない」という主張である。 ・当然ながら「日本側は、実証的検証が出来ている」という事を、前提にしている。
【2.A氏の反論から、B氏と討論が始まる】
A : 韓 - 日本側は実証的検証が重要だと言うが...原則的には同意する. しかし naverで行われていることは学者たちがする実証的検証の水準ではない. (10/18 01:12)
B : 日 - (省略)ま、要するに、学術レベルを求める日本側と、素人レベルの許しを請う韓国側の鬩ぎ合いということで良いですかな。w (10/18 01:15)
A : 韓 - 検証を試みたことだけでは主張のリアリティーあるいは妥当性を保障しない. (10/18 01:19)
A : 韓 - B> naverで学術レベルの論議が実践された事があるのか? 検証を試みたことだけで相手に自分の結論を強要することはできない. (10/18 01:21)
B : <font color=f33636 size=2>日</font> - >A 貴殿の考える「学術レベルの議論」とは何ですか?(省略) (10/18 01:24)
A : 韓 - B> 例えば学術論文....学術セミナー水準の資料を日本側 userが自ら作成してあげたのか? (10/18 01:26)
B : 日 - 研究論文にも使える方法論でスレッドを作成したり、レスしたりしたスレッドは山ほどありますね。(省略) (10/18 01:29)
(以下、NAVER における、日本側の例示がされる。具体的な URL の提示は無し)
B : 日 - ま、韓国人に方法論を説くこと自体、間違いなのでしょうけどね。 (10/18 01:31)
A : 韓 - B> 方法論という抽象的単語を使って欺こうと思ってもだめですね. 具体的事例を提示しなければ... (10/18 01:41)
B : 日 - >A はいはい、貴殿には理解不能であることは承知しています。(省略) (10/18 01:43)
A : 韓 - 日本側が主張する実証的検証と言う(のは)やっとこれか? 結局権威によって相手を欺くことは日本側だね. 実証的検証が重要だという原則は誰も分かっていて. そういう方法論をどの位水準で実践したのか可否が重要なのだろう...事例を提示することができなければ率直に認めなさい. (10/18 01:46)
A : 韓 - 日本側に充分に時間を与えたが...方法論話して... 抽象的言葉だけ言って...具体的事例を提示することができないね. それではこれで退く. 結局この位.... (10/18 02:03)
【3.ここで、討論は終了】
◎ポイント1
- B氏の主張は、「日本側が重要視する『実証的検証』という方法論を、その重要性を含めて、韓国側が理解していない」。
したがって、どれだけ「具体的事例」を示そうとも、A 氏が理解するとは、考えていないようである。
- A氏の主張は、「『実証的検証』は重要だと理解するが、それは学会などの場に存在して、NAVER には無い」。
したがって、日本側が「具体的事例」を提示できないので、日本側の主張は無効であると考えていると想像できる。
- この時点で、私は B 氏の主張を、支持している。それは、過去に A 氏と行った会話からも、実感として得ている。
そこで、私は A 氏が本当に「『実証的検証』の重要性」を理解しているならば、言わないはずの言葉を訂正する。
【4.私の主張を述べる】
danshiari : 日 - A>(省略)あなたの発言「A : 韓 - 検証を試みたことだけでは主張のリアリティーあるいは妥当性を保障しない. (10/18 01:19)」は、全く逆です。 (10/18 06:48)
danshiari : 日 - A>「実証的検証」だけが「主張のリアリティーあるいは妥当性」を保障するんです。「実証的検証」によって“偽”とされたならば、「主張」には「リアリティーあるいは妥当性」が無いと判断されます。 (10/18 06:51)
◎ポイント2
- 直接的に表現すれば「検証を試みなければ、主張のリアリティーあるいは妥当性を保障できない」となる。
これが、「『実証的検証』の重要性」ということである。
-続く-
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